虹色研究部 - ニジケン -
「えっ? 今日のあのアピール、滝口先輩の台本じゃないんですか?」
「えぇ。あれは依頼されませんでしたので」
滝口先輩は真顔のまま、サラリと言い放つ。
「あれは部長のシナリオです。いや、シナリオなのかどうかは……僕には判断出来かねますがね」
柔らかな風が吹き、滝口先輩の髪がブワッと舞う。綺麗な白い額が覗き、彼の目は私を真っ直ぐに捉えていた。
ポカンと口を開けたまま固まる私を、どこか満足気な表情で見つめた彼は、口角を片方だけ上げて怪しく笑う。
「竹内さんのご想像にお任せしますよ」
意味深な笑みを残した彼は、私を置いて皆の元に走って行ってしまった。
「……何なの。もしかして、からかわれた?」
「待ってください」と滝口先輩を追いかけると、ふいに振り返った國枝先輩と視線がぶつかる。
滝口先輩の言葉のせいか、途端に恥ずかしくなった私は、直視出来ずにブンッと勢い良く目を逸らした。
「えぇ。あれは依頼されませんでしたので」
滝口先輩は真顔のまま、サラリと言い放つ。
「あれは部長のシナリオです。いや、シナリオなのかどうかは……僕には判断出来かねますがね」
柔らかな風が吹き、滝口先輩の髪がブワッと舞う。綺麗な白い額が覗き、彼の目は私を真っ直ぐに捉えていた。
ポカンと口を開けたまま固まる私を、どこか満足気な表情で見つめた彼は、口角を片方だけ上げて怪しく笑う。
「竹内さんのご想像にお任せしますよ」
意味深な笑みを残した彼は、私を置いて皆の元に走って行ってしまった。
「……何なの。もしかして、からかわれた?」
「待ってください」と滝口先輩を追いかけると、ふいに振り返った國枝先輩と視線がぶつかる。
滝口先輩の言葉のせいか、途端に恥ずかしくなった私は、直視出来ずにブンッと勢い良く目を逸らした。