虹色研究部 - ニジケン -
「お疲れ様。乃季も相当疲れたみたいだね。顔が変になってるよー」
「へ、変って!」
予想外の言葉に、私はガバッと彼の顔を見上げる。
すると待ち構えていたようにニッコリと私を覗き込んでいた彼は、満足気に口角を上げた。
突如ぶつかった視線に、ドキッと胸が高鳴る。
「あっ、早くお店行かないと。皆も待ってますよ?」
戸惑った私は、慌てて皆が先行く道を指差し、話をはぐらかした。
すると空いていた手が、温かく包み込まれる。
「ねぇ乃季。――せっかくだから、今日だけこのままでいようか?」
歓喜を帯びた彼の声が鼓膜にジンッと響き、私は全身の血が沸騰してしまったように身体が熱くなった。
「さぁ行こうか」
國枝先輩はいたずらっ子のように「ニヒヒ」と、笑うと、私の手を引いて歩き始めた。
ガチガチに固まった足を何とか前に出した私は、繋がれた手にほんの少し力を込める。
すると静かにギュッと握り返してきた彼の手に、私の鼓動は一気に加速した。
一歩後ろでふわりと揺れる彼の髪を見つめながら歩く私は、温かい手を感じながら、向かう店が近い事を祈り続けた。
「へ、変って!」
予想外の言葉に、私はガバッと彼の顔を見上げる。
すると待ち構えていたようにニッコリと私を覗き込んでいた彼は、満足気に口角を上げた。
突如ぶつかった視線に、ドキッと胸が高鳴る。
「あっ、早くお店行かないと。皆も待ってますよ?」
戸惑った私は、慌てて皆が先行く道を指差し、話をはぐらかした。
すると空いていた手が、温かく包み込まれる。
「ねぇ乃季。――せっかくだから、今日だけこのままでいようか?」
歓喜を帯びた彼の声が鼓膜にジンッと響き、私は全身の血が沸騰してしまったように身体が熱くなった。
「さぁ行こうか」
國枝先輩はいたずらっ子のように「ニヒヒ」と、笑うと、私の手を引いて歩き始めた。
ガチガチに固まった足を何とか前に出した私は、繋がれた手にほんの少し力を込める。
すると静かにギュッと握り返してきた彼の手に、私の鼓動は一気に加速した。
一歩後ろでふわりと揺れる彼の髪を見つめながら歩く私は、温かい手を感じながら、向かう店が近い事を祈り続けた。