虹色研究部 - ニジケン -
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「……國枝先輩。それ、何ですか?」
カップルコンテストから二週間ほど経ったある日。
放課後、いつもの様に部室にやって来くると、嬉しそうに何かを磨いている國枝先輩が居た。
「乃季! 良い所に来たね。ちょうど今日出来たんだ! いい出来でしょー?」
國枝先輩は「よいしょっ」と重そうにそれを持ち上げて、誇らしげに見せつける。
「そ、それ……!」
國枝先輩が愛でていたのは、カップルコンテストの最後で酷く落胆した深町先輩の、リアル過ぎる銅像だった。
「コンテストの優勝商品はカップルの銅像だったからね! 勝手に注文を変更して作ってもらったんだー!」
悪びれる様子もなくそう言った彼は、銅像に顔を並べてニッコリと笑う。
「あー。本当に楽しかったね!」
そう言って彼は、深町先輩の『最高に嫌がる顔ポスター』の前に、銅像をドンッと飾った。
……深町先輩の敗北コレクションが増えていく。
和田先輩と滝口先輩の言葉を胸に秘めていた私は、目の前の光景に呆れ果てて、空いた口から魂が抜ける様に酸素が抜けていく。
この人の考えている事は、私には一生理解出来ないのかもしれない。
「……國枝先輩。それ、何ですか?」
カップルコンテストから二週間ほど経ったある日。
放課後、いつもの様に部室にやって来くると、嬉しそうに何かを磨いている國枝先輩が居た。
「乃季! 良い所に来たね。ちょうど今日出来たんだ! いい出来でしょー?」
國枝先輩は「よいしょっ」と重そうにそれを持ち上げて、誇らしげに見せつける。
「そ、それ……!」
國枝先輩が愛でていたのは、カップルコンテストの最後で酷く落胆した深町先輩の、リアル過ぎる銅像だった。
「コンテストの優勝商品はカップルの銅像だったからね! 勝手に注文を変更して作ってもらったんだー!」
悪びれる様子もなくそう言った彼は、銅像に顔を並べてニッコリと笑う。
「あー。本当に楽しかったね!」
そう言って彼は、深町先輩の『最高に嫌がる顔ポスター』の前に、銅像をドンッと飾った。
……深町先輩の敗北コレクションが増えていく。
和田先輩と滝口先輩の言葉を胸に秘めていた私は、目の前の光景に呆れ果てて、空いた口から魂が抜ける様に酸素が抜けていく。
この人の考えている事は、私には一生理解出来ないのかもしれない。