虹色研究部 - ニジケン -
「部長と和田さんは知っていると思いますが、僕は一年の時にこの学校に転校して来ました。……いじめを受けたのちに、自分の意志で」
予想もしていなかった言葉に、私は思わず「えっ」と驚きの声を漏らした。
カチャッとメガネを直した滝口先輩の真剣な表情に、私も姿勢を正す。
「僕は昔から学ぶ事が好きでした。人より物覚えも良く、一度見れば何だって覚えられた。ですが『天才』『異才』と、そう呼ばれ続けた僕は、昔からいつも一人でした」
まつ毛を伏せた滝口先輩は、過去を思い出しているのか、表情が曇る。
「高校に入学すると、次第に『異端』だと言われ始め、それはもう酷いいじめを受けました。だけど『天才』『異才』の何が悪いのか。頭が良くて、学ぶのが好きで、一体何が悪いのか。そう思い、僕は意地でも学校に通いました」
視線を落とす滝口先輩を、皆が見守るように見つめる。
「ですがある日、担任に言われたんです。『友達作りも出来なくて何が天才だ』って」
「……そんな。酷い……」
思わず震えた声が出る。
そんな私を見た滝口先輩は、微笑みながら首を横に振った。
予想もしていなかった言葉に、私は思わず「えっ」と驚きの声を漏らした。
カチャッとメガネを直した滝口先輩の真剣な表情に、私も姿勢を正す。
「僕は昔から学ぶ事が好きでした。人より物覚えも良く、一度見れば何だって覚えられた。ですが『天才』『異才』と、そう呼ばれ続けた僕は、昔からいつも一人でした」
まつ毛を伏せた滝口先輩は、過去を思い出しているのか、表情が曇る。
「高校に入学すると、次第に『異端』だと言われ始め、それはもう酷いいじめを受けました。だけど『天才』『異才』の何が悪いのか。頭が良くて、学ぶのが好きで、一体何が悪いのか。そう思い、僕は意地でも学校に通いました」
視線を落とす滝口先輩を、皆が見守るように見つめる。
「ですがある日、担任に言われたんです。『友達作りも出来なくて何が天才だ』って」
「……そんな。酷い……」
思わず震えた声が出る。
そんな私を見た滝口先輩は、微笑みながら首を横に振った。