虹色研究部 - ニジケン -
「残念だけどもう遅いよ」


「へっ? どういうことですか?」


私の言葉に、國枝先輩はニヤリと怪しく口角を上げた。


「うわー。燈がこの顔してる時はロクでもない事考えてるわよ。最高に腹が立つ笑顔よねー」


和田先輩はげんなりした顔で國枝先輩を指差す。

こう言っちゃなんだが、確かにこの笑顔は、私が見ても中々腹立たしい。


「乃季の入部届、さっき顧問の安田っちに出してきたもんねー!」


「えっ!? 出しちゃったんですか!?」


驚く私を見た國枝先輩は、満足気に更に高く口角を上げる。
< 33 / 357 >

この作品をシェア

pagetop