虹色研究部 - ニジケン -
「これも部長に頼まれて以前開発したパイ投げマシーンです」


「う、嘘ですよね?」


「いえ、本当です。さぁ、パイ投げは角度が大事ですよ」


メガネの上からガッツリ本気のゴーグルを付けた滝口先輩。

相変わらず無表情だが、その姿勢からパイ投げへの意気込みが感じられた。

この人も本気だ。


「乃季の歓迎イベントなんだし、特製の垂れ幕まで作ったんだから楽しんでいこう!」


「た、垂れ幕って……」


嫌な予感がして、額にじわっと汗が滲む。

そんな私を見て、國枝先輩は嬉しそうに首を傾げた。


どうかこの予感が当たりませんようにと祈りながら、ゆっくりと振り返ると……。
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