虹色研究部 - ニジケン -
――――「くおらぁーー!!」


肩まで伸びた長髪を振り乱した男子生徒が、砂埃を舞い上げながらドドドドッ、と走ってきた。


「燈! 奴が来たぞ」


「本当だね。おーい! こっちだよー!」


待ってましたと言わんばかりに、嬉しそうな声を上げる國枝先輩。


「おのれ國枝 燈!! この深町 建都(ふかまち けんと)の前でよくも忌々しいパイ投げをーー!!」


「前にも言ったけど、パイ投げはとある国では歓迎の証なんだよ?」


「知らーん! それにここは日本だ! しかも学校だ! 今回こそ退学にしてやる!!」


血管が切れそうなほど、顔を赤くして怒っている。

しかしこの人も、よく見ると國枝先輩に負けず劣らずの綺麗な顔立ちをしている。

無駄に美形の多い学校だ。
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