拝啓、「俺」様
しばらく時間が経つと栗りんが時間を告げて説明を始めた。

「チビ!次の問題答えろ。」

栗りんが言うとみんながあのおチビちゃんを見た。
当のおチビちゃんはぼーっと窓の外を見ている。
マイペースな奴。

「チビ!」

栗りんがもう一度言う。
ビクッとしておチビちゃんは気付く。

「問題解け。」

「え!?えーっと……」

どれを解いているのか分からないようだ。
俺の方を見てくる。
教えてくれということか。
「大問3の面積」

そう言うとニカッと幼さの残る顔で笑った。

「143?」
おチビちゃんは自信なさげに答える。

マジかよ…。
これ、俺解けなかったのに。

「チビ、毎回毎回何で文学科が理数科の問題を解く?」

栗りんちょっと怖いよ。

「数学得意だからです!」またあの笑顔で答える。
栗りんちょっとため息。何か言うのかな?と思ったのに何も言わずにまた説明を始めた。

おチビちゃんはまた窓の外を見始めた。
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