拝啓、「俺」様
「今日はここまで!」

生徒はワラワラと帰って行く。
「新!図書館で勉強しないか?」

「おお!行く!」

なぜ俺がOKしたかと言うと,図書館で勉強なら話さなくて済む。
つまり,2人で行っても自分の世界だ。


俺は帰り支度をした。
すると
「ねぇ!」
いきなりシャツの裾を引っ張られた。
振り向くとさっきのおチビちゃん。

「さっきはありがとね!」
幼さの残るあの笑顔でそう言ってきた。
と思ったらすぐに「次英語だ〜!」と言って走って行ってしまった。

「新、知り合い?」
「さっき席が隣だっただけだよ」

「あの子、文学科C組の早川陽奈(ハヤカワ ヒナ)だろ?目立つ方じゃないけど、結構人気あるみたいだぜ。」

おチビちゃんは早川と言うらしい。

「早川って栗りんにいつもいじられてるよな。文学科なのに俺らより頭いいらしいぜ」
友達は言う。

正直、俺はゼミに出てることも存在ですら今日知った。
「お前、詳しいな」

「ああ、中学同じだったんだよ。中学ん時から全体的に目立つ方じゃなかったけど、ある一部分っていうのかな?変なとこで目立つ奴だったよ」

特に興味はなかったから適当に聞き流した。
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