鈍感幼馴染みとマイナスからの恋
「あっ!来た来た1年!」
ハンドボール部……?
体育館に転がる黄色いボール。
「なになに?カップルで見学?」
当然こんな俺らを見ればそう思われるに決まってる。
ってか、はいそうです、って言いたいんだけど。
「まさか!違います、ただの幼馴染みで。見学してもいいですか?」
「もちろん!あっちの方で見学してて」
「はい!」
中学までは陸上部だったくせに、
ハンドボールかよ。
「楽しそうだよね、ハンドボール。
陸上ってさ、あたしは長距離だったから個人競技じゃん。だから、団体競技に憧れちゃって。
他の団体競技って中学からあったじゃん。でもここら辺の中学にハンドボール部なかったからさ。チャンスだよね」
「何をペラペラ一人で喋ってんの。
もうほぼお前の中で決まってるんじゃん。ハンドボールに」
「確定じゃないけど。
でも、見学してよかった。日向も入ろうよ。中学の時バスケ部だったから、有利じゃん」
「面倒くさいから、いい」