鈍感幼馴染みとマイナスからの恋
『あ、…ひなたくん』
ななか、っていう人が俺の名前を呼んだけど、
無視して。
『まや、帰ろ。』
『うるさいっ……ひなたなんてキライ!!』
こんな時だから、素直に帰るって言えばまた女子から反感を買うって思ったのか、
俺は差し出した腕を振りほどかれたけど。
いつもあんな強気で、
にこって笑ってた麻耶が、
目に涙を浮かべてて。
こんな麻耶は見たくない。
いくら、周りの人が麻耶を避けても。
俺がいるし…。
腐れ縁だけど、
ちゃんと、俺がいるし。
俺も別に、麻耶がいればいいや。
笑った顔で、日向って呼んでくれれば、それでいい。