※小悪魔男子が可愛すぎて困る!
さっき立ち往生していたのが嘘のように、すみません、と人混みを掻き分けて一気に先頭まで行く。
「えーっと、私の名前......えぇぇえええ!?」
上から探していこうと1位を見た瞬間、つい驚きの声を出してしまった。
慌てて人混みから脱出して、奈々ちゃん達のところへ向かう。
邪魔、という目で見られるが、今はそんなのにかまってる暇はない。
「れ、れれれ玲くん!」
「え、なに?この短時間でなにがあったの」
あははっ、といつも通りおちゃらけて笑う玲くん。
「笑ってる場合じゃないよ!ゆ、結城くんが!結城くんが1位だって」
「そうそう。だから琉李探してるんだけど...って希望ちゃん、自分の順位見た?」
「あ...忘れてた。ちょっと待って、もう一回行ってきます」
つい、結城くんのことに熱くなりすぎて忘れてた!
後ろで笑いが聞こえるのを気にせず、また戦場(人混み)へと割り込んで行く。