※小悪魔男子が可愛すぎて困る!
やば、顔面強打して更に頭おかしくなったかも...
きっと、結城くんもう呆れて行っちゃったよね?
その前に、私のことなんてどうでもよすぎて転んだことにも気づいてないか...。
「......ねぇ、橘?」
なんか、さっきから誰が私を呼んでいるような気がするし。
果たして私は、顔打ってついに霊と話せるようになってしまったのか...。
「おーい、橘さーん?」
「...へ?は、ははい!」
「あ、やっと届いた。大丈夫?」
結城くんの声にハッとして慌てて顔を上げると、結城くんは私の前にしゃがんで、まるで小さな子供を心配するかのように顔をのぞき込んでいた。
「だ、大丈夫...です」
ち、近い...近いです。
「あ、鼻血出てるよ」
「えぇええ!?うそ?」
結城くんの言葉に慌てて鼻を押さえる。
「うん、嘘」
「えぇ!?うそ?」
「クスッ...いちいち驚きすぎ。ほら、教室戻るよ」
私の手を取ると、優しく引っ張った。