※小悪魔男子が可愛すぎて困る!
……って私、何ここでぶっちゃけとるんじゃ!こら。
相手は結城くんだぞ?
好きなひとだぞ?
恥ずかしさを噛み締めながら、階段を登っていく。
こんな時、黙ってハシゴをおさえてくれる結城くんって、やっぱり優しいと思う…。
って、あれ…、あれ?
手を伸ばしてもほんの数センチ届かない。
こんなにも自分の腕の短さを恨んだのは、初めてだ。
だがしかし、ここで諦めるのような橘 希望ではない。
145.8cmと、致命的に小さい身長をなめてもらっちゃ困る。
うわぁ、チビだなあの子、と言われ続けて16年。
身体はチビでも、結城くんを想う気持ちは誰にも負けないし、チビにもチビなりのプライドがあるんすよ!
だから絶対に取って……
「え………?」
思いっきり手を伸ばし、本を掴んだ瞬間...突然視界がぐるりと回った。
私…、落ちてる?
死んじゃうんだ…、そう思って目をギュッと瞑る。