※小悪魔男子が可愛すぎて困る!


……が、想像していた痛みは起きない。



その代わり、ふんわりと甘い香りに包まれた。



死ぬ時って痛くないの?



天国ってこんなにいい匂いなの?



だったら私、ずっとこのままで……



「……ねぇ、そろそろどいてくれないと困る。動けない」



へ?


下から聞こえる結城くんの声。



そっか、やっぱりここはてんご……



「うぎゃあああっ!ご、ごごごめんなさい」



誰かの上に乗っていたことに気づき、バッと効果音でもなるかの勢いで離れる。



でも、何かがおかしい。



だって、結城くんと一緒にいたはずなのに、その結城くんが見当たらない。



代わりにいるのは、フワッと無造作に整えられたアッシュブラウンに近い綺麗な髪をお持ちのイケメンくん。



イケメンと言っても、可愛い顔立ちをしてらっしゃる。



でも結城くんは黒髪だし、前髪とメガネでかっこいいお顔が、あまり見えないもん。



痛い、と頭をさするイケメンくんは、なにかに気づいたようでやばいという顔をした。




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