※小悪魔男子が可愛すぎて困る!
まぁ、それはさておき、
「こ、これは、イケメンくんの落し物なんですか?」
「何その呼び方」
意味が分からない、とでも言う顔をしているイケメンくんに、ウィッグを渡すため近づく。
そして、「すみません。失礼します」と正座をしてイケメンくんの綺麗な髪に手を伸ばした。
「……わっ。なに?」
だけど、素晴らしい運動神経をお持ちのイケメンくんは、私の手を素早く避けた。
「え、いやー、これがイケメンくんの落し物なら、それも取れるのかなーと思いまして」
「……取れるわけないでしょ。そんな何個も何個も被ってどうするの?って言うか、その呼び方やめて」
バカなの?、と付け足すイケメンくん。
不機嫌そうなイケメンくんの前で、はい、バカです。とはとても言えない。
「あのー、結城くん知りませんか?さっきから、結城くんレーダーがピコピコ言ってるのに、肝心の結城くんが見当たらなくて」
「うん。一生見当たらなくていいんじゃない?」