※小悪魔男子が可愛すぎて困る!
やっぱり、やっぱり結城くんだ。
結城くんとの秘密かぁ♡
まてまて、私、結城くんと手握っちゃったよ…
だめだ。一生洗えない。
カレンダーに『初めて結城くんと手をつないだ日』って書いておかなくちゃ。
「……うへへ」
「なに?どうしたの、気持ち悪い」
……ガーン。
気持ち悪いですと?
心にグサッと矢が刺さる。
そう言えば、普段あまり返事をしてくれないのに、今日はよく喋ってくれる。
妙に毒舌だけど…。
「結城くん!私、今の結城くんの方がいいです」
正直に自分の気持ちを打ち明けると、結城くんは一瞬…、ほんの一瞬、すごく悲しそうな顔をした。
そして私から視線を逸らし、いつもより低い声で言った。
「……あっそ」
それだけ言うと、私がさっき取ろうとしても取れなかった資料を、ハシゴを使っていとも簡単に取った。
そしてウィッグとメガネを装着した後、頼まれた資料を全部持って出ていってしまった。
……どうしよう。
ば、バカな私にだって分かる。
どうやら私、結城くんを怒らせてしまったようです。