※小悪魔男子が可愛すぎて困る!
「希望ちゃんが何を思って言ったかは分からないけど、さっき言った通り、いろいろ事情があって琉李は自分の素顔が嫌いなんだよね。もちろん、褒められることも。」
さっき玲くんが言っていた言葉を思い出す。
本当は伝えたいこと、沢山あるのに…。
言葉が足りなくて、結城くんを傷つけた。
「私……あの時、結城くんの素顔が見れたのは正直嬉しかったよ。でもそれは、ただかっこいいからとかじゃなくて…。それに…」
「ぷっ…それ、俺に言ってもしょうがないでしょ?琉李なら多分、図書室にいるよ。みんなと帰る時間がかぶるのが嫌だからって」
「さて、俺も部活行きますか」と伸びをしながら立ち上がる玲くんにつられて、私も立ち上がる。
「ありがと!玲くん。行ってまいります!」
敬礼ポーズをしてお礼を言うと、いつもの通りクスッと笑う。
「頑張れ」
そう言ってくれる玲くんに自然と笑みをこぼし、私は図書室を目指して走り出した。