※小悪魔男子が可愛すぎて困る!
栗花落の言葉を無視して部屋を出ようとした時、左腕を掴まれ、ドアを開けようとしていた手を止める。
「ま、まって」
「なに?」
「こんなことしておいてどうかと思うけど...、もう私のこと嫌いになっちゃった?」
心配そうに見つめてくる瞳...
俺は、この瞳に弱かった。
中学の頃、付き合い始めて栗花落にどんどん惹かれていった。
別れた後も、なかなか忘れられなくて...
だから多分、俺は本気で...
「好きだったよ。今までありがとう栗花落」
「そっ、か」
消えそうな声でそう言うと、静かに掴んでいた手を下ろす。
「今は.....いや...。るいるいは、あの子のこと大好きなんだね…」
「クスッ...どうだろうね」
正直、一緒にいるとなにかに巻き込まれるし、大変だけど……それでも、橘のことを考えると自然と頬が緩むのが分かる。
今だって、本当は心配で仕方がない。
「じゃあ、行くね」と声をかけ、俺は部屋を飛び出した。