※小悪魔男子が可愛すぎて困る!
突然のことに、足がもたついてうまく立てず結城くんの方に倒れてしまう。
そんな私を、結城くんは優しく抱きしめた。
フワッと香る結城くんの匂い...すごく安心する。
ギュッと抱きつき、結城くんの胸に顔をうずめて結城くんを堪能していると...
結城くんは、10秒もしたいうちに私から離れた。
かすかに残る結城くんの体温に、寂しさを覚える。
「大丈夫?何もされてない?はい、とりあえず寒そうだから、早くこれ着て」
「う、うん。ありがとう」
何事も無かったように私のブレザーとコート肩にかけてくれる。
そして…言われたとおり着るが、どうしていいかも分からず下を向いていると、私の手を握り今度はスタスタと歩き出してしまった。
「おい。待てよ!まだ、話し終わってねぇだろ」
「話すことなんてないよ。あ、でも…ありがとう。おかげで、気づけたよ」
「は?何が?っておい!」
後から聞こえる雨宮くんの声を無視して、家から出てしまった。
そのまま何も話さず、ただただ私の手をひいて歩いていく。