※小悪魔男子が可愛すぎて困る!


電話越しでも分かるくらい焦っている玲の声。



「あぁ、ごめんね。うん、俺は大丈夫だよ。橘も、おかげで無事だった…。ありがとう」



『ありがとう…って琉李がありがとうって……。俺何年も一緒にいるけど、初めて言われた気がする』



わざとらしく泣き真似をする玲に、言わなきゃ良かったと後悔するがもう遅い。



いつもだったらここで、うるさいって言うけど…今日は違う。



無意識に橘に視線を向けながら呟くように口を開く。



「…玲、本当にありがとう」



どうしても、これを伝えたかった。



『え、な、何急に…。あ、うん。どういたしまして……って、なんかあった?あ、分かった!のんちゃんと上手くいったんだ?』



いつも適当なくせに、こういう時だけ鋭いのやめて欲しいんだけど…。



「……」



『ふっ…。俺のこと気にしちゃってる感じ?琉李が俺の心配とかなんか嬉しいんだけど』





< 372 / 405 >

この作品をシェア

pagetop