※小悪魔男子が可愛すぎて困る!
それは、一生懸命泣くのを耐えてくれてる玲のためにも、気づかないフリしかなくて…。
『は?バカっておい…!まぁ、でもおめでとう』
「うん、ありがとう」
『おう…!じ、じゃ俺、今忙しいから切るわ』
「うん、じゃあね」
ぷつりと電話が切れて、再び部屋が静かになる。
スマホを持っていた左手をだらりと脱力させた。
玲、ありがとう。
一体、何度お礼をいえば気が済むだか…。
なんて思いながらも、何気なく寝ている橘に視線を向ける。
「クスッ…ぐっすり寝すぎでしょ」
ベッドに移動してもらおうと思ったけど、これじゃ起こすにも起こせない。
だからといって、せっかくお風呂に入った橘を、外から帰ってきたまんまの俺が抱きかかえるのも気が引ける。
少し考えた後、結局もう少し寝かせてあげることにして、熱のせいでかいた汗を流しにお風呂へと向かった…――。