※小悪魔男子が可愛すぎて困る!
でも…
何も関係ない結城くんの悪口を言うのは許せない。
「結城くんは関係ないじゃないですか…。なので…、結城くんの悪口言うのだけは、や、やめてください…」
震える声でなんとか言葉を発する私に、愛菜ちゃんはさぞかし気に入らないという表情を見せた。
「は?なにお前?うぜぇーな。そういうのがきもいんだよ!!」
その言葉と共に振り上げられる手に思わずギュッと目をつむる。
叩かれる…
身体が反射的にそう察知した。
…結城くん
咄嗟に心の中で大好きな彼の名前を叫んだ瞬間…
いつもより低くイライラしている声が私の耳に届いた。
「ねぇ、何してるの?」
その驚きつつも恐る恐る目を開ける。
うそ…なんで?
「…ゆ、結城くん?」
消えそうなくらい小さな声で、目の前の人物の名前をつぶやく。
そこには、振り上げられた手首を握り、怒りをあらわにして愛菜ちゃん達を睨みつけている結城くんが立っていた。