ドS王子と平凡少女
「私からしたら、可哀想なのはあんたよ。」
「なんだと?」
「人の心を汲み取れない、可哀想な奴。」
黒髪は何も言わずに私を見ている。
もう……無理!
私はそこにいるのが耐えきれなくなり、持っていた一万円を茶髪に突き返すとその場を離れた。
家に帰る頃には私の怒りは収まっていた。
ただ……
あぁ……どうしよう!
あんなこと言っちゃって……倍返しとか言って、やり返されないかな……?
大丈夫だよね……
いや、でもあんな事する人だから私殺されちゃうんじゃ……。
うわぁぁぁぁあ!どうしよう!
その日は心配しすぎて眠れなかった。