ドS王子と平凡少女
春が来た。いや、悪魔が来た。
2ヶ月後
バレンタインデーの出来事も思い出となりつつある時だった。
「早百合ちゃん!また同じクラスだよ!やったね!」
「あ、ほんとだ。」
私達は2年生に無事進級した。
「2ーAだって!新しい友達出来るかなぁ〜」
教室に入ると先に来ていた人達がこちらを見る。
だが、すぐに話に戻ってしまった。
黒板に貼ってある座席表を見ると私は廊下側から二番目の列の一番後ろだった。
「早百合ちゃんは?」
「窓際の一番前。」
「遠いー!」
「うるさいな。早く席付け。」
「……はぁーい。」
はぁ……早百合ちゃんが遠い。