ドS王子と平凡少女



「早百合ちゃんおはよっ!」


私は教室に着くなり友達の早百合ちゃんのもとへ急いだ。


「おはよー」


早百合ちゃんは適当に返事をするとすぐに手元の本へ目を戻した。


「早百合ちゃん!今日は何月何日?」


私はそれを気にせずに質問する。


「2月14日だけど……」


「そう!今日はバレンタインデーなのです!」


「…………もしかして」


早百合ちゃんはなんとなく察したらしい。


「私、先輩に告白する!」


「あー、うん。がんばって。」


「え、ちょ、それだけ?」


「それだけって言われても、他に何言えばいいの?」


「なんか、由愛なら大丈夫!とかさ」


「大丈夫かなんてわかんないし、あやふやな事言って後で振られたら気まずくない?」


「いや、まぁ…そうだけどさ……。」


早百合ちゃんって、変なとこで現実的なんだよなぁ……



< 2 / 50 >

この作品をシェア

pagetop