ドS王子と平凡少女
「早百合ちゃんおはよっ!」
私は教室に着くなり友達の早百合ちゃんのもとへ急いだ。
「おはよー」
早百合ちゃんは適当に返事をするとすぐに手元の本へ目を戻した。
「早百合ちゃん!今日は何月何日?」
私はそれを気にせずに質問する。
「2月14日だけど……」
「そう!今日はバレンタインデーなのです!」
「…………もしかして」
早百合ちゃんはなんとなく察したらしい。
「私、先輩に告白する!」
「あー、うん。がんばって。」
「え、ちょ、それだけ?」
「それだけって言われても、他に何言えばいいの?」
「なんか、由愛なら大丈夫!とかさ」
「大丈夫かなんてわかんないし、あやふやな事言って後で振られたら気まずくない?」
「いや、まぁ…そうだけどさ……。」
早百合ちゃんって、変なとこで現実的なんだよなぁ……