ドS王子と平凡少女


「早百合ちゃーん!帰ろ!」


結局あの後、二人が戻ってくることなく放課後になってしまった。


カバンは置きっぱなしだから校内にはまだいると思うんだけどなぁ……。


「なに、榊たちの事気になるの?」


早百合ちゃんがニヤニヤしながらやってきた。


「はっ!?いきなり何言ってんの!」


「だって榊の机ずーっと見てたから。」


「冗談にも程があるよ!」


「だってさ、どんなに意地悪でも顔だけはいいから、好きになっちゃうんじゃないかなと思って。」


「ぜーったいありえない!!」


「そうかな。」


「そうだよ!」


私が榊くんを好きになる?


いやいやいや、絶対ありえない。


第一私には先輩がいるし。


好きになるなんてそんな事ありえる訳が無い。



< 24 / 50 >

この作品をシェア

pagetop