ドS王子と平凡少女



「早百合ちゃーん。お願い!」


「嫌だ。」


「お願い!!」


「絶対に嫌だ。」


帰り道、私達はこのやりとりをずっと繰り返していた。


なぜかって?

事の発端は数分前に遡る。



______



「早百合ちゃん今日ね、私のお気に入りのケーキ屋さんの新作のスイーツが発売される日なの!

だから……一緒に買いに行こ!」


「嫌だ。」


「なんでー!」


「あんたね、毎日毎日スイーツばっか食って、甘党にも程があるでしょ!」


「毎日じゃないもん……」


「それでもあんたは食べ過ぎ!」


「だって……」


昔から甘いものは大好きだった。


誕生日にはホールケーキを一人で半分食べちゃってたし。



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