ドS王子と平凡少女



中学の時は今ほど食べていなかったけれど、高校生になってバイトを始めてからはバイトのお金は全てスイーツに費やされるようになった。


土日はバイトして平日はそのお金をスイーツに費す、それの繰り返しだった。


いつもだったら一人で行ってるんだけど、今日は理由があり早百合ちゃんも連れていかなければならない。


「あのね!1人3個までしか買えないの!
うち家族4人だし、一個足りないの!だからお願い!」


「嫌だ。」


「なんでー!いいじゃん!

一緒に行くだけだよ?私に付いてくればいいんだよ?

それなのになんでそんなに嫌なの!」


「……甘いものが大嫌いなの。

匂いだけで吐きそうになる。」


「そんなぁ……」


ずっと楽しみにしてたのにな……


でも早百合ちゃん本気で嫌そうだし……おあずけか……。


「わかった。

ごめんね、早百合ちゃん。」


「いや、別に。

私の方こそごめん。」



結局その日は行けずじまいだった。




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