ドS王子と平凡少女
榊side
「なんか、木下さん遅くない?」
苑は時計を見ながら言った。
「あぁ。どこほっつき歩いてるんだか。
三木野!木下探して来い!」
「はぁ?なんであたしが、自分のペットは自分で探して来れば?」
三木野はめんどくさそうに言った。
三木野とは中学が一緒だったけど、話したことはなかった。
顔は大人しそうなくせになんて性格だよ。
「直人、そんなに木下さんのこと心配?」
「は?なに言ってんだ。
冗談も程々にしろよ。」
なんで俺があいつの心配なんてしなきゃいけないんだよ。
俺達がそんな会話をしていると木下が帰ってきた。
「おい!遅ぇよ!何してんだお前は!」
「……ごめん」
「……は?」
おかしい。
いつもだったらうるさいだのなんだの言ってくるくせに。