ドS王子と平凡少女
「知り合いなんですか?」
「うん。直人くんもこのお店の常連さんなんだよ。」
「えっ!」
そんな事聞いたことなかった。
それに私、何回もここに来たことあるのに一度も見かけたことない。
「榊くんそうだったの?」
「……あぁ。」
「それに、私のためにって……」
「は?んなわけねぇだろ。」
榊くんはこちらを見ようとしない。
「でもさっき……」
もしかして……
「いいから入るぞ!」
「えっ!まっ待って!」
榊くんは私を置いて甘野さんとお店の中へ入ってしまった。
まさか、私を慰めるためとかじゃないよね……?
私はそう考えながら榊くんの後を追った。