ドS王子と平凡少女
「おい直人!やるにも程があるだろ!」
「どうせ、告白でもする気だったんだろ?
お前みたいなやつからもらうなんて、貰う相手が可哀想だったから踏みつぶしてやったよ。」
そう言って、そいつは私に背を向けて歩き出した。
「本当にごめんね!これで許して!」
苑と呼ばれた人は財布から一万円を出すと私にそれを握らせ、あいつの後ろを追った。
なんなんだ。本当に。
頑張ったのに、先輩のためにって、頑張ったのに……。
「ふざけるな。」
いつの間にか口からこぼれていた。