君が好きでして、
初めてしっかりと喋ったのは委員会の時だったっけ。


君の友達から君が図書委員になったって聞いて俺自分から図書委員に立候補したんだぜ?




先生にもクラスメートにも心配された。






俺が図書委員て知った時どんな気持ちだった?


嬉しいって思ってくれたか?




それはないかな。





カウンター当番は俺が無理矢理君と組んだんだよな。


君の嫌そうな顔が今でも頭に浮かぶ。



それから俺達は少しずつ話すようになった。




話すって言っても俺が一方的に話すか、業務連絡かだった。


君は無口で、いつも静かに俺の話を聞いていた。



でもたまに本の話をしてくれたよな。




あれが面白いだとかあの作家さんが好きだとか。



瞳をキラキラと輝かせながら喋る君はすごく可愛かった。




あまりにも可愛かったから何度も抱きしめそうになった。


流石に抱きしめると引かれそうだからそんな事しないけど。




あの頃は君に褒められる本達が羨ましかった。


時々「なんでお前ら好かれるんだよ。」って本に話しかけたりした。



利用する人が俺を不審な目で見るから辞めたけど。








君は一度だけ髪をバッサリ切ったことがあったな。




胸辺りまであった綺麗な黒髪をバッサリと切って首位に揃えたんだよな。



キノコみたいだって茶化してたけど俺なりの愛情表現だったんだよ。




やっぱり君はどんな髪型でも似合ってた。





君と出会って半年くらいで苗字呼びからやっと名前呼びになった。



君が俺の名前を恥ずかしそうに呼ぶから柄にもなく照れてしまった。





一歩君に近づけた気がした。
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