君が好きでして、
一度だけあなたは私に恥ずかしい質問をしたね。



「好きな人、いる?」って。




あまりに直球過ぎてきっと私は赤くなっていたと思う。


夕暮の図書室だったからもしかしたらバレてないかも。




好きな人なんていないと伝えようとしたけどふと、あなたの顔が思い浮かんだ。





恥ずかしくなった私は「…怖いです。」ってふざけたように言った。



それを聞いた君はすぐに笑ってくれた。




でも今でもあなたの真剣な顔が鮮明に思い浮かぶ。





ねぇ?どんな答えを待ってたの?


好きな人なんてわかんないよ。



どうしてあなたの顔が思い浮かんじゃうの?





なんだか私があなたのこと〝好き〟みたいじゃない。






















あぁ、そっか。







私はあなたが〝好き〟なんだ。


























放課後の図書室であなたに伝えられた言葉。


こんな時には何を言えばいいんだろう。


そうだ、自分の思いを伝えればいいんだ。


何も飾らないシンプルな言葉。






















「私もあなたが好きなんだ。」



















恥ずかしいけど伝えたい。大好きなんだ。あなたのことが。
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