*片恋日和*
第1章
ひとりぼっちで日陰がお似合いの地味なあたしには、
恋なんか無縁で程遠い存在だと思ってた。

「さむっ…」

灰色に曇る寒空の下。
あたし、佐倉雪音はいつもの代わり映えのない通学路を歩いていた。

これから学校と思うとすごく憂鬱で自然と足取りは重くなる。
学校はあたしにとって居心地の悪い場所で…
本音を言えば今すぐ引き返して家に帰りたかった。

だけど…あたしには学校をサボる度胸なんかなかった。
気がつけば、あたしが通う高校・私立桜木学園に着いてしまった。
今日も、 また

退屈な1日が、 始まる。



ため息をはいて、あたしは

校門をくぐった。
< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop