イケメン副社長にほだされました


「じゃあ、外でデートしなかったのは?」


「沙耶香の部屋が一番落ち着くから。」



シレッと言い放つ真司に、重ねていた手をパッと離した。


「は?そんな理由?
私、身体だけが目当てなんじゃないかとか、人に私と居るところ見られたくないんじゃないかとか色々考えて悩んでたんだよ?」

「だから、悪かったって。」


そう言って私の腕を掴み、自分のほうへと引き寄せようとする真司に、反省のいろが見えないんだけど。

でも、もういっかなんて思ってその胸に引き寄せられる私も私だ。



「お前が行きたいところ、やりたいこと、これから全部叶えるから許せ。」


耳元で囁いた台詞は、真司が言ったとは信じられなくらい甘かった。

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