イケメン副社長にほだされました

「…遠距離恋愛とか?」

社長が聞いた。ああ、なるほど。


「いや、三駅くらい。」

「ちかっ!めっちゃ近いじゃないですか!」


二年も付き合っといて部屋に上げたことないなんてある?


「デートばっかりだったとか?」

「いや、デートとか、したことない。」

「はあ?!」

今度こそ副社長以外の全員の声が重なった。


「それって、本当に付き合ってたんですか?」

「付き合ってたよ。」


絞り出すような声で言う副社長は、本当に彼女を失ったことを悲しんでいるようだ。


でも、さっきの話を聞いていると、どうも恋人への扱い方がぞんざいな気がする。

< 131 / 148 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop