イケメン副社長にほだされました
「…遠距離恋愛とか?」
社長が聞いた。ああ、なるほど。
「いや、三駅くらい。」
「ちかっ!めっちゃ近いじゃないですか!」
二年も付き合っといて部屋に上げたことないなんてある?
「デートばっかりだったとか?」
「いや、デートとか、したことない。」
「はあ?!」
今度こそ副社長以外の全員の声が重なった。
「それって、本当に付き合ってたんですか?」
「付き合ってたよ。」
絞り出すような声で言う副社長は、本当に彼女を失ったことを悲しんでいるようだ。
でも、さっきの話を聞いていると、どうも恋人への扱い方がぞんざいな気がする。