イケメン副社長にほだされました


「おはようございます。今日も、社長とお約束ですか?」

「あぁ、なかなか落ちてくれなくて。
もうちょっとなんだけどな。」

もう何回目になるかわからないわが社への訪問は、うちの社長を口説き落とすためだ。


「そういえば社長、最近満月堂のフルーツどらにはまってるそうですよ?」

「満月堂?上野の?」

「ええ。」

元々娘さんのお気に入りで、それに付き合ってるうちに社長自身もはまってしまったらしい。

その情報が彼にとって有益かなんてわからないけど、当時の私は彼と少しでも話したくて必死だった。

< 14 / 148 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop