イケメン副社長にほだされました
「おはようございます。今日も、社長とお約束ですか?」
「あぁ、なかなか落ちてくれなくて。
もうちょっとなんだけどな。」
もう何回目になるかわからないわが社への訪問は、うちの社長を口説き落とすためだ。
「そういえば社長、最近満月堂のフルーツどらにはまってるそうですよ?」
「満月堂?上野の?」
「ええ。」
元々娘さんのお気に入りで、それに付き合ってるうちに社長自身もはまってしまったらしい。
その情報が彼にとって有益かなんてわからないけど、当時の私は彼と少しでも話したくて必死だった。