イケメン副社長にほだされました
「私は沙耶香が泣いてるのを見るたびに、その男のことぶん殴りたいって思ってるよ。最低男って。
でも、実際側にいる沙耶香がその男のこと愛してるならさ、他人の私じゃ分からない部分だし、口出しすぎかもしれないけどさ。」
「愛理…。」
ぶん殴りたいって…。物騒だけどそれが愛理の愛情だ。
胸がポカポカする。
「結局沙耶香が考えて決めることだと思うけど、そんな何年も考え込んでるとハゲるよ。」
「それも嫌!」
「でしょ?」
ケラケラ笑いながらすっかり冷え切ったブラックコーヒーを飲み干す愛理は輝いて見えた。