イケメン副社長にほだされました
ボーッとする頭で周りを見ると、どうも私は車の中にいるみたい。
背中に感じた革の感触は、なんとも高級感溢れていて、すごく寝心地がいい。
シートを倒してくれていて、身体にはブランケットが掛けてある。
あ、これ私のだ。
そして、この車を運転しているのは紛れもなく川上 真司だ。
「これ、真司の車?」
「ああ。お前熱が高そうだったから、病院に連れて行く。
一応、ソファの近くに落ちていたバッグごと持ってきたんだけど、保険証入ってるか?」
ソファの近くに落ちていたバッグとは、通勤用バッグのことだ。
通勤用バッグには財布が入っていて、その中に保険証もきちんと入っている。
「うん。入ってるよ。」