イケメン副社長にほだされました
「悪い。病人にする話じゃないな。」
そう言うと真司は私の手の中のお皿をとって、布団を引き上げると台所へと向かった。
真司が家族の話をしてくれた。
あまり気持ちの良い話ではなかったけど、そんな話を私にしてくれた。
別に深い意味はなく、話の流れで話しただけかもしれない。
でも、そうだとしても嬉しくて。
なんだか真司との遠い距離が少し縮まったような気がした。
それから真司は週末の間、うちで看病してくれてすっかり私は心も身体も元気になった。
こんな長い間、真司と一緒に居たのは初めてで。
まるで、自分は真司の彼女のような、大事にされているかのような気がしていた。
浮かれていた。
そんなの、私の勘違いだったのに。