イケメン副社長にほだされました
これが現実。


「沙耶香さん、すっかり声も元通りになりましたね。」


あれから2週間。
しつこかった咳と声のガラガラもようやくとれたところだ。


「うん、お陰さまで。迷惑かけてごめんね?」

「そんな、迷惑なんて1ミリも掛けられてませんよ。沙耶香さん会社1日も休まずに治しちゃうし、社会人のカガミですよ。」


始業前に更衣室で制服に着替えている美咲ちゃんがキラキラした目で見つめてくる。


「え、そんなことないよ。タイミングが良かっただけで。」


それに熱を出したのだって元をたどれば、真司のことで寝不足だったからで。

むしろ、社会人失格の気もするし。

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