イケメン副社長にほだされました
「さーやかちゃん。」
受けていた電話の受話器を置くと、頭上から聞こえてくるいかにもチャラそうな声。
やっと来たか、と思いつつ顔を上げた。
「お久しぶりです。中津さん。」
ダークグレーのスーツを身に纏い、にこにこと笑いかけるのは、中津 徹さん。
真司さんが副社長を務める会社、Plageの営業マンで真司さんの後任として2年前からうちの会社を担当している。
ものすごく女の子が好きみたいで、うちの会社に来ると必ず受付で私や他の受付の女の子とお喋りして行く。
年は確か、私より2つ上だったはず。