イケメン副社長にほだされました
びっくりするほどあっけなく終わってしまった。
封筒は無事に届けられたからいいんだけど。
でも、私のあの緊張は何だったんだ。
やり取りは玄関口で終わってしまい、中の様子は何ひとつ見えなかった。
なに期待しちゃってたんだろう。
私、馬鹿みたいだ。
はぁー、と深いため息を吐いたとき、廊下で女の人とすれ違った。
ふわり、と香った上品な花のような素敵な匂いに思わず振り向いて、息を飲んだ。
息をのむほどの美人。
その言葉通り、私は目の前の彼女を見た瞬間に息をのんでしまった。