イケメン副社長にほだされました


気付いた時には、最寄り駅へと足を向かわせていた。

どうやってビルから出て来たか覚えてない。

覚えているのは、あの女の人の匂いと真司の声。


あの人が真司の本命で、私はただの遊びだった。

そんなの、分かってたことなのに。

なんで、こんなにショック受けてるのか。

もうすぐ12月だという夜は、こんなカーディガンじゃ寒すぎる。

イルミネーションが目に染みる。
クリスマスなんてまだ先なのに、なんでこんなに早く飾り付けしてるんだ、なんて八つ当たりを心の中でしていると駅に着いた。


習慣って怖い。また気付いたら電車に乗っていた。

しかも、ちゃんと間違えずに。

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