イケメン副社長にほだされました
最後の夜。
「だから言ったじゃない。そんな男とはさっさと別れなさいって。」
あんた本当に馬鹿ね、と心底呆れたようにため息を吐く愛理。
こんなに傷心だっていうのに容赦なさすぎるよ。
半分ヤケになって、手元の生ビールを一気に煽る。
「で、その変質者は大丈夫だったの?」
「あー、うん。そのあとは何もなかったし大丈夫だと思う。
ていうか、勘違いだったのかも。」
「まあ、何もなかったなら良かったわ。」
あのとき、精神状態不安定だったからな。
本当に変質者だったとしても、何もなくて本当に良かった。
私逃げ足速いしね。さすが元テニス部。