お面妖狐 〜覚醒妖狐と沖田総司〜 Ⅱ
『うっ…』
「…白夜さん…」
心配ないって言ってたけど
やっぱり心配する。
汗のついた白夜さんのおデコを
着物の裾で優しく拭く。
『そ…ぅじ…』
「白夜さん?!」
うっすらと目を開いた白夜さん。
『ぜ…たい。しな…せないっ…から。
そ…じを、かなしま…せないからっ…!』
「…はい。お願いしますよ」
微笑んで答えると、白夜さんは苦しい顔を
しながらも微笑んでまた目を閉じた。
秋は冷えるから僕は狐の姿になって
白夜さんのお腹の上にコロンと丸くなった。
…苦しそうだ。
お腹の上からどいて首の上。
…やめておこう。
思いつくところが他にはなかったから
首から降りてその横で丸まって寝た。
side out