お面妖狐 〜覚醒妖狐と沖田総司〜 Ⅱ
「えぇ。妖殺姫は人間を嫌い妖怪も嫌い。
だからあの戦で生き残ったのかもしれない。
白夜がもし妖殺姫の生まれ変わりなら、
大きな戦がまた来るかもしれないわね…。
そして、妖怪と人間を殺すかもしれないわ」
そん…な。
人間を殺して、妖怪も殺す…。
もしかしたら。
母様も父様も、
兄様も一馬も、
総司も新撰組のみんなも、殺してしまう…。
そんなの、絶対嫌だ。
『…私は、妖殺姫の生まれ変わりじゃない』
「…えぇ。そうね。白夜は白夜。
妖殺姫なんかじゃないわ」
もし…。
もし私が本当に妖殺姫の
生まれ変わりなら、
無駄な斬り合いはしたくない。
「…白夜さん…?」
『総司…』
「よかったです」
『…うん』