お面妖狐 〜覚醒妖狐と沖田総司〜 Ⅱ
。
『…隠れてないで出てきてください』
「…はは。バレましたか。
白夜さん」
屯所の中。
後ろからいつものように隠れてついてくる人。
山南さん。
『なんですか?』
「いえ。少々あなたの力に
興味がありまして」
私の力?
そう言えば、初めて会ったときに
ビンのことで何かあったな。
関係ある、みたいな。
「妖怪がこんなに近くにいるのに、
見過ごすわけにはいきませんよ」
『…山南さん。
なんですか。その刀は』
山南さんが私に刀を向ける。
「少々血を分けてください。
これからの研究のためです」
研究?
なんの研究?
でも、そう簡単に妖怪の血はわたせない。
私は鞘から少し刀を出す。
と、山南さんが刀を振りかざしたその時。
私は後ろから誰かに抱きしめられ、
キィンッと刀と刀がぶつかり合う音が
響いた。
「山南さん!何してんだ!!」
「原田君。
邪魔しないでください」
原田さん…?