ひとつの恋未来




今つないでいる手に力が入る。



「 大丈夫。俺はここにいるから。 」



「 またっ…ね、翔太。 」



彼は何も言わず、笑顔で頷いた。



そして、つないでいた手を離した。



離した時のあの感覚、さっきまであった
あの温もりを感じることはもうない。



一歩、また一歩、重い足を前に出す。



これで本当に最後なんだ。



もう翔太には会えないんだ。



一歩ずつ前に進むたびに、溜まっていた
涙が溢れ出す。




< 210 / 251 >

この作品をシェア

pagetop